有酸素運動とは
有酸素運動という名前は、それを行っているあいだに体がエネルギーを生み出す仕組みに由来します。
有酸素運動とは、酸素を使って燃料を燃やすことでエネルギーを得る運動のことです。
どういう意味なのか
代謝の細かい話に踏み込まずに言えば、有酸素運動の最中は、血液が筋肉に十分な酸素を届けられるため、エネルギー産生が途切れません。必要な酸素が行き渡っているので、筋肉は炭水化物からだけでなく脂肪からもエネルギーを取り出せます。体重を減らしたい人にこの種の運動がこれほどよくすすめられるのは、そのためです。
その反対が無酸素性のトレーニングです。筋肉があまりに強く働くので血液が酸素の需要に追いつけず、筋肉は酸素なしでエネルギーを作ります。その方法では脂肪を使えないため、不足分を補おうとして体は別のもの、主に蓄えられた炭水化物を燃やします。
有酸素トレーニング
トレーニングを有酸素の範囲にとどめるには、筋肉に重い負荷をかけすぎないことが必要です。負荷が重すぎると、血液が十分な酸素を供給できなくなるからです。したがって有酸素トレーニングとは、筋肉の働きを一定かつ中程度に保った、安定した運動ということになります。
有酸素のセッションは通常、特定の筋肉を疲れ果てさせるのではなく、大きな筋群、つまり脚、背中、腕を動員するように組み立てられます。均等に、休みなく行えば筋肉を消耗させることはありませんが、血行を促し代謝を押し上げるには十分な強度になります。
有酸素トレーニングの強度
トレーニングが有酸素であるためには、心拍数が高くなりすぎてはいけません。心拍が非常に速いということは、酸素の足りない筋肉に酸素を含んだ血液を送ろうとして心臓が懸命に働いている、ということです。とはいえその一方で、体をきちんと働かせるだけの手ごたえも必要です。
有酸素運動として効果のある範囲は最大心拍数の55〜85%です。そのどのあたりを使うかは、体力と目的によって決まります。
- 初心者はこの範囲の下限から始めて、体力がついてきたら強度を上げていきましょう。
- 減量が目的なら下限寄りを保ちましょう。大きな努力を要さない強度で、そのかわり長く(40〜90分)続けます。
- 主に持久力を高め、心血管系を強くしたいのであれば、もっと強く追い込んでかまいません。ただし、やりすぎは禁物です。
体はどの燃料を燃やしているのか
体はつねに脂肪と炭水化物を同時に燃やしています。変わるのはその比率であり、比率をもっとも大きく左右するのは、どれくらい強く運動しているかです。
- 炭水化物——血中を流れる糖と、筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンです。運動が強いほどその割合は大きくなります。炭水化物は酸素があってもなくても素早く分解できるからです。グリコーゲンの蓄えには限りがあり、長く激しいセッションでそれを使い切ってしまうことこそが、いわゆる「壁にぶつかる」(ハンガーノック)という現象です。脂肪燃焼のスイッチが入る瞬間ではありません。
- 脂肪——酸素を必要とするβ酸化によって分解されます。脂肪は運動の最初の1分から使われており、軽い強度ではむしろ脂肪のほうが大きな割合を占めます。軽めの有酸素運動が体脂肪を減らすためにすすめられるのは、まさにそのためです。しかし実際に体脂肪が減るかどうかを決めるのは、何週間にもわたって消費した総エネルギー量と食べた量との差であって、ひとつのセッションの中の比率でも、その長さがどこかの境目を越えるかどうかでもありません。